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PATA本部理事会報告
PATA本部理事会(PATA Board of Directors Meeting)は、年3回、各国の代表が一堂に集い、旅行業界全般における様々なテーマに基づき討議を行っています。その秋季理事会が去る10月3日から5日まで、シンガポールにて開催されました。
今回は、世界情勢の緊迫した状況を受けてか、例年にも増して多い理事が参加し、25カ国から143名の理事と27名のオブザーバーが出席、テロを始めとする旅行業界を取り巻く不安要因に対してどのように対処していくべきかということを中心に討議が行われました。PATAプレジデント及びCEOを務めるピーター・デ・ジョン氏は、決議案として、以下の5つのキー・ポイントに関するPATAとしての方向性についての考えを発表しました。
1) 航空業界に関する問題
2) 旅行業界を取り巻くマイナス要因への対処方法に関する問題
3) 政治的分野における「ツーリズム」への認知度の強化
4) アジア・太平洋地域の旅行需要喚起の巻き返し方法
5) アジア・太平洋地域の文化・環境保護に対するPATAの次なるステップ
なお、現在、日本からは以下の方々が、PATAの本部理事を担当されております。
- 日本航空株式会社 執行役員 石榑 信孝氏(PATA日本支部会長)
*今回は、同社旅客事業担当役員付部長 最賀和明氏が代理出席されました。
- 全日本空輸株式会社 営業推進本部国際担当部長 宮城島 行平氏
- 株式会社JTBワールドバケーションズ 代表取締役 北村 喬氏
- 国際観光振興機構 理事 新井 佼一氏
PATA 統計資料2002 について
各国別の渡航者数がテーマごとに詳細に掲載されているPATA統計資料(PATA Statistical Report) は、非常に信頼できるマーケティング・ツールとして高い評価を得ておりますが、その2002年版が出版されました。2002年の度重なる経済的、社会的マイナス要因にも関わらず、アジア地域への訪問者数は前年比6%の伸びを見せており、特に中国は9800万人の訪問者を記録しております。その他にも本資料には、各国別の平均的旅行日数や旅行費用、ホテル稼動率や各国政府観光局の予算や各航空会社の運航スケジュールやキャパシティ等、役に立つ情報が盛りだくさんです。PATAのメンバー(本部メンバー)は、US$250、PATA支部会員はUS$350で購入が可能ですので、購入ご希望の方は以下宛てにお申し込み下さい。
Mr. Patcharin Hongprapat , PATA Coordinator - Publications
e-mail : publication@pata.th.com
“PATA メンバー to メンバー“マーケットプレイスについて
PATA本部のホームページ上に、”PATA Member-to-Member Market Place”を開設しました。これは、PATAメンバー同士が、特別価格でサービスを提供しあうシステムで、PATA本部会員ならどなたでもご参加できます。アクセスするには会員番号が必要ですので、ご確認の上、 http://www.pata.org にアクセスして下さい。
PATA年次総会(韓国・済州島)における日本支部行事について
先日、会員の皆様には別途郵送にてご案内いたしましたとおり、PATAの年間行事の中でも最大のイベントとされているPATA年次総会が来年の4月18日から22日まで、韓国の済州島(チェジュ島)において開催されます。毎年世界各国から2000名近くの旅行業界関係者が集う本総会において、PATA日本支部主催行事を計画しており、近く、韓国支部及び中国支部との3カ国共催行事について協議を行う予定です。
近年様々な試練が続く旅行業界ではありますが、PATA会員が一堂に会し、それぞれの立場や経験に基づいた情報交換を行う本総会へは、通年にも増して多くの会員が参加されるものと予想されておりますので、是非とも皆様の参加をお待ちしております。
なお、日本支部主催行事の内容につきましては、決定次第ご連絡させて頂きます。
PATA日本支部ホームページへの情報提供について:
http://www.patajapan.com
前号でもお伝えしましたとおり、PATA日本支部の広報、会員への情報提供、会員相互間のコミュニケーションのプラットフォームとして、PATA日本支部ホームページ(バイリンガル)が開設されました。本ホームページ内には会員名簿も掲載しており、各会員のホームページへとリンクするようになっておりますので、会員の方で、まだカンパニーロゴをお送りいただいてない場合は、至急事務局までお送り下さいますようお願い申し上げます。(送付先:info@patajapan.com )
PATA日本支部新春セミナー及び懇親会の予告について
PATA日本支部では、来年の1月にセミナー及び懇親会を予定しております。セミナー・テーマ等については、現在検討中ですので追ってご連絡させて頂きます。
トラベルジャーナル 11/10号に、「ニュースに見る海外の旅行ビジネストレンド」として、以下の記事が掲載されておりました。現在のPATAの方向性を示す非常にいい記事でしたので抜粋記事を掲載いたします。
SARSと戦うPATA信頼回復プロジェクトの成果
櫻田 薫(元日本旅行業協会理事・事務局長)
太平洋アジア観光協会(PATA)が最近、SARSで落ち込んだ太平洋地域への旅行需要回復を目指すキャンペーンを行ったことはご存知だろうか。しばしば“社交クラブ”などと冷やかされることもあるPATAが、この種の活動を大々的に行うのは珍しい。タイム、フォーチュン誌、CNN、BBCが100万ドルを、このほか域内15地域の観光局やホテルチェーンなどが費用を拠出し、総額200万ドルをかけての一大プロモーションが展開された。
• 異色のスポンサー
このように、観光産業に直接関係ないスポンサーがPATAの実施するキャンペーンに付くのは異例と言える。背景には、太平洋アジア地域ならではの事情もある。同域内には、観光産業が経済の柱になっている国が少なくなく、一方で、同地域の安定が、世界経済や社会秩序の維持に不可欠であることが広く認識されるようになった。地域経済を支えるツーリズムの反映が、旅行業に従事しない人々にとっても大きな意味をもつことが共通認識となっている。World
Travel & Tourism Council (WTTC)によると、アジア太平洋地域の観光産業が今年受けた被害は、SARSによるものだけでも「9.11事件」の5倍に及ぶ。航空会社の便数は減り、旅行者数も激減した。この結果、各国経済の落ち込みが大きくなれば、テロを防ぐのも容易ではなくなる。ツーリズム振興は、世界平和を構築するうえで有力な手段と理解されている。また、平和でなければ人は旅行しないが、一方で旅行が盛んになればそれに依存する周辺産業も栄え、その繁栄を阻害しようとする勢力を排除する力が働く。国際労働期間(ILO)では、今年に入りテロやSARSの影響で世界の観光産業従事者500万人以上が失業すると推計している。これは、01〜02年の2年間に失業した650万人を上回る数だという。観光に多くを依存するアジア太平洋地域の経済が破綻すれば、観光のみならずグローバル化した世界経済に与える影響は大きい。
• プロジェクトの狙い
PATA機関誌「Compass」によると、このプロジェクトが奏功し、9月末からアジア太平洋域外からの訪問者は前年レベルまで復活してきたようである。本来、旅行需要を喚起するキャンペーンは、大規模な予算が必要で、その割に効果もはっきりしないものであるが、200万ドル程度の費用で需要が回復したとすれば、担当したマレーシアのPR会社にその秘訣を聞きたいと考える関係者は多いだろう。同時に、アジア太平洋地域のホテル・航空会社などが、とにかくまず旅行して欲しいと、特別割引料金を提供したプロモーションを実施したが、これも金額に換算すれば相当の規模であった。
キャンペーンは、元ニューヨーク市長など有名人を観光大臣に任命して、アジア太平洋地域に関する認知度を高めることを狙った。消費者向けのウェブサイトも立ち上げ最新情報も掲載、旅行のアドバイスも行っている。そして本命は、マレーシアのPR会社が策定したプログラムで、CNNのアジア太平洋と欧州の番組が独占的に放映する一連のテレビコマーシャルと、フォーチュン国際版とタイムの国際・米国版での2ヶ月にわたる広告キャンペーンで構成された。
• 世論と戦う
PATAでプロジェクトを担当したセモンド氏によると、このプロジェクトは新しいPR活動であって、それはブランドマーケティングとは対象的なものであるらしい。彼は「SARSやテロの不安から、旅行に消極的になっている消費者の信頼を回復し、太平洋アジア地域の旅行の魅力を認識させるために協力なメッセージを発信することが狙い」と言う。PRのノウハウを活用しているが、重点を置いたのは信頼回復と理解促進だと説明している。
このPR手法、筆者には不案内であるが、消費者との対話キャンペーンということらしい。各ホテルや観光局が広告キャンペーンで知名度やブランド露出を高めても、もともと旅行する気持ちがない消費者は反応しない。このような環境下ではまず、消費者の旅行に対する信頼を甦らせなければならない、という考え方である。その理論によると、消費者によるいわば口コミが、信頼を形成するのに有効であるとされる。中立的な官民一体の国際団体というPATAの性格も、情報伝達者として消費者の信頼を得やすい。
また、今回のスポンサーになったタイムやフォーチュン誌などの読者は上流知識階級であり、欧米人にとってはロングホールとなるアジア太平洋への旅行者と重なる。民間企業がそれぞれ広告を打つよりも、そのメッセージには確かな影響力があることは想像に難しくない。
「我々は、パッケージ・ツアーの販売促進ではなく、ダイアローグ(対話)を想像する」とセモンド氏は言う。PATAが変化する時代やマーケットの状況を読み取りながら、活動を活性化しているとすれば喜ばしいことである。
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